Cは、チャンスのC。

心を動かす瞬間、ブランドは囁く。今がチャンスだ。「チャンス」って、どんな形をしていると思いますか？ドアの前に立って待っている？それとも、風のように一瞬だけ吹いていくもの？

英語の chance は、どこか冷静で、確率のような響きがあります。「ワンチャンあるかも」「50:50だね」——そこにあるかもしれないけど、別にあなたが取りにいかなくてもいい。まるで「確率（kakuritsu）」のような存在。

でも日本語の「チャンス」は違う。
“チャンスだ！” という言葉には、走り出したくなるエネルギーがある。

たとえば、ユニクロ。

UNIQLOが見せた、真の「チャンス」の力。

2020年、世界が止まりかけたあの年。多くのアパレルブランドが足踏みする中、UNIQLOは“エアリズムマスク”という一手を打ちました。「誰かがやらなきゃ」「だったらうちがやる」——そんな使命感にも似たタイミングの良さ。

店頭には長蛇の列。Twitterではトレンド入り。
でもそれは、ただのラッキーな“chance”ではない。
あれは、明らかに“チャンスだ”と判断し、動いた結果。

UNIQLOは日頃から「LifeWear」という哲学で、人々の“今の暮らし”を観察し続けています。そして“今、何が必要か”を感じ取った瞬間に、ためらわず動く。
それが、日本的な「チャンスだ」の美学なのです。

チャンスは、耳元のささやき

いいブランドは、大声では叫ばない。でも、確かに心に届く。
まるで、恋人が耳元でこう囁くように：

「ねぇ、今がチャンスだよ。」

その声は派手じゃない。
でも不思議と、鼓動が早くなる。
気づけば、足が前に出ている。

「Cは、チャンスのC」——それは、ブランドが起こすさざ波。
人の心を揺らし、“今、この瞬間”に意味を持たせるもの。

チャンスとは「賽は投げられた」の精神

「今がチャンスだ」と言える時、そこには必ず勇気があります。ローマの英雄ユリウス・カエサルは、決断の瞬間にこう言いました：

“Alea iacta est” — 賽は投げられた。

つまり、「もう戻れない。行くしかない。チャンスとは、腹をくくること。
自分の名前、自分の物語、自分の信念を——誰かの目に触れる場所に置く勇気。

あなたがブランドを立ち上げた理由は？

ブランドは、ただの商売じゃない。
あなたの使命そのものです。

なぜ、あなたはこのビジネスを選んだのですか？
家族の誇りのため？
「もう誰にも頼らず、自分の力で生きていく」と決めたから？
それとも、「私がこれを作らなければ、この世に存在しない」そう信じたから？

起業とは、人生をかけてサイコロを振ること。
今日、この瞬間も、あなたはチャンスに賭けている。

 ブランドは、“動くチャンス”であるべき

「マーケティング」は、スペックの説明ではない。
「なぜ、今なのか？」を届けること。

それは、静かに確率を提示する“chance”じゃない。
今この瞬間を照らし出す、“chansu”であること。

そして、これは私のchansu

ビジネスを始めてからというもの、
私は毎日、チャンスの種を蒔いています。

早く返信を返す。
新しいプロジェクトに「やってみます」と言ってみる。
誰かに「私、こういう仕事をしています」と話す。
Facebookグループにプレスリリースを投稿する。

全部、自分で風を起こす行動です。

今日の午後、夢のようなクロスカルチャルプロジェクトの問い合わせが届きました。
これは、偶然じゃない。
チャンスは、自分で仕掛けるもの。

バーの向こうで、素敵な人と目が合った時。
どうする？立ち止まる？それとも微笑みかける？

ABBAも言ってたじゃないですか： “Take a chance on me.”

あなたのブランドも、あなた自身も、この人生に「チャンスを賭ける」価値がある。